筑波大学出身の起業家、実業家から在学生の様々なEntrepreneurship(起業家精神)を知ることを目的とした、筑波フューチャーファンディング(TFF)のオウンドメディア「TwinWeeks」です。
第2回のインタビューは株式会社シェアトレ代表取締役社長の木村友輔さんにシェアトレを立ち上げるまでと、筑波大学の環境について伺いました。前回まではこれまでの木村友輔さんにシェアトレを立ち上げるまでの話をお伺いしました。
前回の 前編 に続いての後編です。学生だからこその起業するメリット、就職と起業で考えてることをお伺いしております。聞き手はTFFの代表理事でもある佐々木敦也です。
(佐々木)就職という経験も、いいですよね。大きめの企業であれば組織の構造が見えてくるから、組織を学ぶという面では、外から見るより中に入ったほうがすぐわかるので。
その後組織を離れても、(組織としての)付き合い方がわかると思います。僕も銀行に入って銀行の組織というのを分かっているから、担当者と話すときに内情を理解することができます。
まだお若いのと、いろんな選択肢を取れるので、僕らの頃より恵まれているなと思います。
(木村)そうですね。最初、TFFでクラウドファンディングをしたことがきっかけで様々なメディアに取材していただけるようになりました。僕個人だけの選択肢では絶対に得られない経験だったので本当に感謝しています。
(佐々木)TFFを作ってよかったなと思います。
(木村)今やっと形にできたので、実際にたくさん使ってもらって、指導者の方に感謝されるようなサービスにしていきたいです。(2016年11月時点)
(佐々木)そういう意味ではTFFは筑波大学のOB, OGで構成された組織なので、気楽に相談できるし、純粋に応援したいという気持ちが強いです。それにメンバーはいろんなネットワークを持っているので、色々使ってもらえるといいと思います。
木村さんみたいに色々動いていると、周りの学生だけでなく、先輩も「やってみようかな」って思うかもしれないですね。
(木村)環境は整っているので、どんどん行動するだけですよね。
(佐々木)失敗は次に生かすことができれば、どんどんしていいと思うので、どんどん挑戦するといいですね。
今後どういう動き方をしていきたいですか?
(木村)現在は勉強と部活とサービスと3足のわらじでやっており、全てを両立させることに限界を感じています。すべてが中途半端になってしまうのが嫌だったのでその中で自分の中の優先順位をつけてみました。すると1.サービス2.部活3.勉強となったのでサービスに集中するために1年休学しようと思っています。(TFF注: インタビュー当初は休学前でした)
部活も人との繋がりや競技者としてできる最後のステージですし、勉強もスポーツについて最先端のことを学べる環境なので、
まずはサービスを一年かけて本気でやってみて、それから学問に戻ってもいいのではないかと思っています。
今は東京に出ていろんな人に会ってみたいです。
筑波というコミュニティは良い部分と悪い部分があると思っています。いい部分はアットホームなところでみんなが近くにいるところなんですけど、逆に陸の孤島と言われるだけあって東京に出て行かないと会えない人もたくさんいると感じました。
休学中は東京を拠点にして、いろんな筑波外の人と交流して、それをつくばに持ち帰って活動しようと思ってます。
(佐々木)自分のやりたいことや夢を実現するために、周りの環境に対して、何か足りないとか、今後何かして欲しいとかって言う事があれば教えてください(笑)
(木村)周りの環境に対してこうしてほしいというのはないですね(笑)
僕がこういう状況になれたのも筑波大学の環境のおかげでしたし、ほんの少しのアクションからでした。
1年生の頃、学内に起業家育成プログラムのチラシがあって、それに参加しようと思ったんです。
実際に行ってみたら社会人の方と大学院生の方しかいなくて大学生がほぼいないような場でした。
一年生なんて誰もいないし、体育学生もいないと。ジャージで参加したのは僕だけの完全アウェーです(笑) しかも僕は申し込み自体を忘れていて名簿に名前がなく「帰ってください」って言われました。当たり前ですが(笑)
どうしても起業に興味があって、参加したかったので「聴講でもいいので、参加させて下さい!」と運営の方に頼んだんです。
そうしたら許可を出していただけて、一番後ろの端っこの方で聞けることになりました。
そのプログラムの初回の内容が、事業案を持っているリーダーと、誰の案についていくか決めるメンバーに分かれる方式でした。リーダーの人がそれぞれ発表して、それを見ていいなと思ったメンバーが挙手してグループが結成されるという形だったんですね。
そんな発表を聞いていて、そのときシェアトレというアイデアをすでに持っていた僕は「リーダーやりたい。。」と素直に思いました。
聴講という身分なんですけど、そこでまた運営の人にピッチさせてくれないかと無理やりお願いしたんですよ。今思うと本当にやばい奴だなと思います(笑)
そしたらたまたまリーダーの人が1人休みで席が空いていたのでピッチさせてもらえることになりました。
ピッチの最初に、「大学1年生です」っていうとざわざわして。「体育(専門学群)です」っていってもざわざわして。(笑)
それでも「実はシェアトレというサービスを考えていまして!」と、魂を込めてピッチをしたら、なんと3人の方が一緒にやりたいと言ってくださりました。今はそのメンバーの方と一緒にやっています。
もし受付で帰って下さいと言われた時に帰ったり、聴講している時にピッチしたいって言わなかったら今の自分はないです。(笑)
その少しの行動というか。つくばには環境があるし、いろいろチャンスはあると思うんですけど、それをつかむかつかまないかは自分自身の問題なんだなと感じました。。
そういう経験があったから、これちょっと面白そうだなとかチャンスかなと思ったものには全部アクションするようにしています。
それで常陽銀行のビジコンで賞を取らせていただいたりとか、さまざまな縁を頂いてこうして活動できているんですよね。結局は行動しなければ何も生まれないということがわかりました。
これはサッカーで培ったと思っていまして、サッカーはシュート打たないと点が入らないんですよね。何回外すしても1点でも入り、試合に勝てれば良いわけですよ。
でもミスを怖がってて、ゴールの近くにならないと打たない、とかなると一試合で、一本もシュート打てずに終わっちゃうんですよね。
だからどんだけミスをして罵られようが、最後試合が終わるまでに点を取ればいいんで。
最後試合が終わるまでシュートを撃ち続けるのが、代表のやることだなと思います。
今はどれだけ営業であしらわれても次の営業にいって、という事やっているんです。
それが今の僕ができることです。
(佐々木)あまり大学とか卒業生に対して不満とかってあまりないんですか(笑)
(木村)そうですね(笑)
むしろ感謝しかないです。産学連携部の方にはたくさんのプログラムを用意していただいてますし、アンテナを高く持ち、面白そうなプログラムとかに参加するといいかなって思います。
大学入ったらサークル入って、ラクタン(単位習得が楽な授業のこと)取って、卒業して良い会社入るみたいなのが、一般の大学生ですけど、「それが本当に自分のやりたい事なのかな」と自分はよく考えていました。周りに流されるだけの人生を送るのがどうしても嫌だったので本当に自分のやりたいことは何か自問自答してました。
そうしてたどり着いたのが「自分で価値のあると思ったサービスを世の中に生み出す」ことでした。
最初は人と違うことをすることにはとても抵抗がありました。
でも人には個性があって、生まれた環境も育った環境も違うので、みんなが同じ道っていうのはないんじゃないかなと。
学生起業自体もただすごいのではなくて、僕らはマイノリティなだけです。
少数派で違うねって思われてるだけなんですけど、
きっとそういう事に興味ある人はもっといるんですが、そういうことやってると意識高い系に思われるとか、周りの目を気にして、動けてないんだと思います。
起業するしないは別として、やりたいことをやれる環境はあるのでそれぞれの筑波大生が他人の目を気にすることなく好きなことをできるようになったら素敵だなと思います。
(佐々木)木村さんのような人がたくさん出てくると面白いと思ってます。日本ってこれからもたくさん課題を抱えますよね。おそらく、経験したことのないような課題をこれからの人たちは解決しなければいけないと思います。
おそらく日本のこれからの人材は、問題解決型、答えがない課題を解いていく。課題を見つけるには各自で考えないといけない。木村さん自身が今、課題を目の前に解決しようと動いているように、他の人もそういう意識を持って動いていくと違ってくるんじゃないかと思います。それが日本を動かすし、世界を動かすと思っています。
みんなに頑張ってほしいなと思います。
(佐々木)最後に意気込みを教えてください。
(木村)自分が価値があると思っていてもユーザーにとって価値がなければそれは意味のないサービスなので、本当にユーザーにとって価値のあるものを作っていきたいと思っています。
周りの方のおかげでここまでサービスを形にすることができたので、今後も口だけで無く行動で示してサービスを伸ばしたり僕自身が成長して恩返しできればなと思っています。TFFを経て、こうやって頑張っている学生がいるんだなって、他の大学生に思ってもらえるような人になりたいですね。頑張ります!
(実際の取材日は2016年11月7日でした。)
Writing: Yoshihito Takashiba (TFF)
Interview, Edit: Satoru Tsunemachi (TFF)
0コメント