アントレ寄稿:デニムを通じて生産者と消費者のこころを満たしたい。



こんにちは!

筑波大学社会・国際学群社会学類在学中の、山脇耀平(やまわきようへい)と申します。

1992年12月24日クリスマスイブ生まれ、今年で25歳になるぼくは、

岡山に住む2つ下の弟・舜介とともに、デニムブランド「EVERY DENIM」を運営しています。

「EVERY DENIM」http://www.everydenim.com/

前回、堀下さんからのバトンタッチを受けて、なぜ僕がデニムブランドをやっているのか、どういう想いを抱いているのか、今後の展望などお話させてください。

ぼくたち兄弟は小さい頃からジーンズが好きで、父親から譲り受けたジーンズを毎日履いていました。

「いつか作っている現場を見てみたい!」

そう思っていたところ

大学進学きっかけで弟が国産ジーンズ発祥の地、岡山に行くことになり

そこで、ジーンズの加工場さんを見学させてもらえることになったんです。

そこで見た職人さんのものづくりの姿にとにかく感動しました。

細かいところまで手作業で行う技術の高さや、120%手を抜かない仕事への姿勢を見せられ

この人たちのことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになったんです。

そこで、「EVERY DENIM」という名前を掲げ、最初は工場の職人さんや経営者の方をインタビューして周り始めました。

工場を取材して回るうちに、経営者の方がたくさんのことを話してくれました。

例えば、日本の洋服作りは年々規模が縮小していること。例えば、産業構造での力関係から、なかなか自分たちの思うものづくりができないこと。

単なるかっこよさだけじゃなくて、工場側からアパレル産業の現状について知ったぼくたちは

職人さんが想いを込めて作ったジーンズを、ダイレクトに届けることができないか。

そう考えるようになったんです。

2015年9月、EVERY DENIMはデニムブランドとして立ち上がりました。

第1弾の生産を募るクラウドファンディングでは、当時21歳と19歳、実績も何もないぼくたちに対して、予想を超える多くの方々が支援してくださりました。

みんなが期待して、お金を出してくれて、始められたブランドだからこそ、ぼくはその期待に絶対答えたいと思うし、その想いがあったからここまでやってこれていると思っています。

ぼくたちは店舗を持たずに、全国各地で試着展示会を開催してきました。自分たちが訪れることで、その土地の人が岡山のことを知ってくれる、デニムのことを知ってくれる。

そして、それをきっかけにデニム工場に来てくれる。自分たちの発信によって岡山のデニム産地に足を運んでくれる人が増えるのは本当に嬉しいことです。

試着展示会では、デニム生産に使用する、インディゴ染料を用いたワークショップも行います。ぼくたちはデニムに限らず、どんな服でも、少しでも永く愛着持って使ってもらいたいと思っています。

そんな想いから始めたこの企画は、参加してくれた人が自分の手で染めることによって、失った愛着を取り戻し、大事に使ってくれるためのきっかけになっています。

愛着持ってモノを使ってもらうための取り組みはそれだけではありません。昨年6月から運営するオンラインサロンでは、集まったメンバーの中でデニムを1型企画しました。

メンバーの中に服作りものプロはいませんが、自分が企画に携わったデニムを手にすることで、より大事に、愛着持って永く履いてくれるんじゃないか。そんな想いから始めました。こちらはEVERY DENIMの4thモデルとして6月にリリースしました。

鎌田安里紗さんとコラボしたデニム「Story」には、「自分が身につけるものを」「自分なりの理由で選んでほしい」という願いを込めました。

その理由は例えば、生産背景がわかることかもしれないし、色や形がきれいなことかもしれない。とにかく、なんとなくじゃなくて、自分が選んだこれ!というモノを手にしてほしい。

このデニムが作られる過程や手にしてからの思い出まで語れる。そんなデニムであってほしいです。

そして、この「Story」を通して作り手と使い手がつながろうということで、糸から製品になるまでを見学できる工場ツアーを開催しました。

どの工場でつくられているのかを単に文面や写真の情報として得るのではなく、実際に会って話すことでより愛着が深まるのではないかと考えています。

作り手にとっては使ってくれてありがとう。

使い手にとっては作ってくれてありがとう。

そんな、ありがとうを交換できる暖かな関係性こそが、エシカルなんじゃないかとぼくは思います。

意識するしないに関わらず、どんな人であっても、一人の「使い手」です。もちろんぼくもそうですし、この記事を読んでくださるみなさん、つくばのみなさんも服を着ています。

せっかくみんな服を着ているんだから、なんとなく選んだものじゃなくて自分が「これ!」と言える、気に入ったものを身につけてほしい。

オシャレとはまた違った意味での服を楽しんでほしい。お気に入りのものを永く愛着持って使うことが、こんなにも心を豊かにしてくれるんだと。

自身の体験を通して感じたこの想いを、多くの方と共有していきたいです。

結局、ぼくたちは何をしたいのか。ブランドを運営したいのか、ツアーをしたいのか。考えてもわかりません。

ただ、「毎日、エブリデニム履いてます!」その声が聞きたくて、今日もこうしてやっています。

「1人でも多くの人が、モノを愛着持って永く使うこと」それこそがEVERY DENIMの使命であり、そのために、まだまだできることはあるんじゃないかと、そう考えています。

僕たちのことに少しでも興味を持ってくださった方は

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Text: Kyohei Yamawaki (EVERY DENIM)

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筑波大学出身の起業家、実業家から在学生の様々なEntrepreneurship(起業家精神)を知ることを目的とした、筑波フューチャーファンディング(TFF)のオウンドメディア「TwinWeeks」です。